バスク海底熟成ワイン (海底熟成ワインって何?)①

海底熟成ワイン

海底熟成ワインって何?

皆さんは海底熟成ワインってご存じですか?初耳の方も、飲んだことがある、という方もいらっしゃるかもしれませんが、有名なイギリスのワイン雑誌:デキャンターでは、“a niche trend(ニッチなトレンド)”として紹介されている、ワインの熟成方法の一つです。Terreでは、美食の地・スペインのバスク地方にある、Crusoe Treasureワイナリーの海底熟成ワインを取り扱っています。「ワインを本当に海底に沈めるの?どうやって??」と、疑問に思われる方も多いと思います。今回から数回にわたって、バスク海底熟成ワインの詳細、そしてその魅力についてご紹介します!

 

なぜ海に沈めるの?

地上でも十分においしく熟成するワインをどうしてわざわざ海底に沈めるのか?その理由は、海がワインにマジック*をかけ、地上熟成とは異なるワインを生み出すからです。(*神秘的な海による作用をあえてマジックと表現しています)

Crusoe Treasureのワインセラーは、海底約20mにあります。地上のセラーで通常の熟成(瓶内熟成)を行う際、一般的にボトルは静置し一定温度で管理されますが、海底セラーでは、ボトルケージは人工漁礁を兼ねる特別な装置にしっかりと固定されるものの、ケージ内は常に海水の流れがあり、水温は一定域内で微妙に変化しています。海がもたらすエネルギー(潮の満ち引き、波、海流、圧力、重力)が海底のワインに作用することで、フレッシュな果実味・鮮やかな色調が保たれつつも、タンニンや全体の口当たりはまろやかでシルキーに熟成します。

まさに、新たな“熟成”の概念です。Crusoe Treasureのワインは、そのユニークな熟成方法で注目を集めるだけでなく、ワインとしての味・質において国際的に評価されています。(Challenge International du Vin 2016:銀メダルInternational Wine & Spirit Competition in London 2016:銅メダル受賞)

 

世界初*の海底熟成ワイン?

Crusoe Treasureは、*世界で初めて人工漁礁を兼ねたワインケージを用いて海底熟成ワインを商品化したワイナリーです。海底熟成を研究するプロジェクトをきっかけに、2008年に設立されました。創設者のBorja Sarachoはダイバーでもあり、第一次世界大戦期の沈没船から発見されたシャンパーニュが海底に約80年あったにも関わらず飲むに値するものだったというニュースに興味を惹かれ、海底熟成の研究を開始しました。彼らがワイナリーを創設する前から、ワインを試行的に海底で熟成させる試みや研究が行われていたようですが、人工漁礁も兼ねた特殊なケージを設置し、海底熟成ワインの商品化に成功したワイナリーという点で世界初とのこと。

海底熟成ワイン

 

科学的根拠に基づく海底熟成

海底熟成ワインと聞くと、海好き・ファンタジー好きの人々にはとっても興味が惹かれるワードですよね!ですが、Crusoe Treasureのワインは、マーケティング目的で一定期間海底に置かれるわけでありません。海・ワインを愛する専門家(醸造学・科学・海洋生物学の研究者)を含むチームによって、海がワインに与える効果・作用を10年以上に亘り研究を積み重ねており、海底に沈められたワインは、ブドウ品種・ワインラベル毎に異なるベストなタイミングを見計らい、地上に引き上げられます。科学的根拠に基づき海底熟成を経た貴重なワインは、スペイン国内に留まらず、世界的な関心を集め続けています。(Decanter, Forbes, The Guardianなど有名メディアに多数掲載)

次回はワイナリーの拠点でもあり海底熟成ワインが眠るバスク地方・ビスケー湾について紹介します!