バスク海底熟成ワイン

Underwater Wine from Basque, Spain

海底熟成ワインの世界へ、ようこそ

地上熟成ワインとの違い

Taste Yourself the Difference

クルーソー・トレジャー(Crusoe Treasure)のワインセラーは、海底約20mにあります。地上での瓶内熟成時、一般的にボトルは静置し一定温度で管理されますが、海底セラーでは、ボトルケージは人工漁礁を兼ねる特別な装置にしっかりと固定されるものの、ケージ内は常に海水の流れがあり、水温は一定域内で微妙に変化しています。海がもたらすエネルギー(潮の満ち引き、波、海流、圧力、重力)が、海底のワインに作用し、熟成を促進させます。
プレンツィア湾では干満差が4mもあり、6時間毎に水圧が変化します。川や沼では同様の効果は得られません。地上のセラーで同一期間熟成させたワインと比べると、ブドウのフレッシュな果実味や色調は残されたまま、一方でタンニンやワイン全体の口当たりは、よりまろやかでシルキーに変化します。

科学的根拠に基づく海底熟成

Much More Than a Fascinating Story

Crusoe Treasureは、海底熟成を研究するプロジェクトをきっかけに、2008年に設立されたワイナリーです。創設者のBorja Sarachoを始め、海・ワインを愛する専門家を含むチームが、海がワインに与える効果・作用を15年以上に亘り研究しています。拠点は、美食の街サン・セバスチャンを有するスペイン・バスク地方。美しいプレンツィア湾で海底熟成ワインは生みだされます。
醸造学・海洋生物学の研究者たちにより海底ボトルは管理され、日々移りゆく天候・潮の満ち引きの分析に基づき、品種毎に異なるベストタイミングで地上に引き上げられます。スペイン国内でも、まだまだマーケティング目的と捉えられがちな“海底熟成”。ワイナリーはセミナーやシンポジウムで研究結果を共有することで、学術的な認識を広める活動にも力を入れています。

品質へのこだわり

Dedication to Grape & Wine Making

スペインは世界有数のワイン生産国です。適度に美味しく妥当な品質のワインであれば比較的安価に手に入りますが、Crusoe Tresureは国内の数多ある生産地から、海底熟成に最も相応しいブドウを選りすぐっています。
ワイナリーの醸造チームを率いるのはDr. Antonio T. Palacios研究者としてリオハ大学で指導を行う彼自身も当初は海底熟成に懐疑的でしたが、感覚的な“違い”に加え、科学的な分析結果を目の当たりにしたことでCrusoe Tresureのメンバーに。そんな彼とチームが選び抜いたのが、リオハやリベラ・デル・ドゥエロなど銘醸地にある畑です。
海底で6~15か月間熟成されることを想定し高品質のブドウを厳選しますが、彼らが同時にこだわるのが、畑やブドウの管理・栽培手法そのものです。例えば、100%グルナッシュ(ガルナッチャ)種で造られるSea Soul No.8は、農薬を使用しないオーガニック栽培の古木を使用。収量を減らし更に凝縮感を高めたブドウを使用しワインを造っています。

自然と地域を守るために

Sustainability

海底セラー”は、バスク地方の小さな街プレンツィアの湾内にあります。この周辺は美しい海とビーチがあるだけでなく、海に面して連続する崖は、フリッシュ”という堆積岩で構成される珍しい地形をしており、地質学者が恐竜の絶滅など地球規模の歴史を研究する貴重なエリアの一つです。
ワイナリー創設者のSarachoはダイバーでもあり、地球温暖化や海洋汚染がビスケー湾に及ぼす影響を直に感じています。海の底で自然のパワーにより熟成されるワインは、まさに、大自然の賜物。ワイナリーはこの素晴らしい自然と地域を守るために、海底熟成ワインに対する注目・関心の高まりを通じて環境保護の重要性を広く発信するとともに、社会貢献活動の一環として、コミュニティー支援や福祉活動にも積極的に取り組んでいます。
海底セラーを設置して10年以上がたつと海藻もよく育ち、自然のリーフのように変化しています。貴重な海洋生物の住処として、海洋生物保全にも貢献しています。

海底熟成のメカニズム

By Dr. Antonio T. Palacios

  • 海がワインにもたらす効果とは?
ワインは柔らかく円やかに、まるでベルベットのようになり、複雑さが増します。これらのワインにとってプラスとなる”変化”は、海中での熟成によって得られるものです。
ワインに含まれる酸味とタンニンの融合が図られ、果実味や果実感、そして凝縮感が高まるワインになります。
 
  • どのような要素が海底にあるワインに影響を与えるか?
波、潮による流れ(季節によっても異なる)、温度変化、圧力変化、運動学そのもの、水・波の動き、これらの海で発生するエネルギーが海中のワインボトルに激しく影響します。海底熟成は、地上熟成で求められる静寂と安定した環境とは全く逆です。
 
海底に沈めるには、タンニンや酸味がしっかりして力強く、海中で発生する激しい作用に耐えることができるワインが必須です。そうでなければ、海がワイン自体を破壊してしまいます。なお、海底熟成と地上熟成で共通すると言えるのは、「暗さ」です
 
  • ワインの中に含まれる酸素について
    海底熟成されるワインは圧力の関係で*、地上熟成ワインよりも多くの酸素を含みます。地上の大気圧よりも、より多くの酸素がボトル内に入ります。これは、海底でワインボトルが受ける圧力によるものです。なお、酸素が入り込むというのはナノ単位の話です。
    *バスク海底熟成ワインは、海底約18-20mに位置する海底ワイナリーで熟成されます。

 

  • ワインのボトル内に海水に含まれる塩分も入る可能性があるか?
    海水も塩分もボトル内に入りません。このことを科学的に証明するために、海底熟成されたワインに対し複数の分析を行っており、その結果を保健当局にも提出しています。

 

  • 地上で10年間熟成させた状態を海底では2年間程度で得られるか?

海底では地上より早く熟成するという関係性はあるものの、地上熟成と海底熟成が同じ状態や分析結果となるわけではありません。

単なる年月・時間計算の問題では説明が難しい点です。それは(ワインの熟成において)別の”旅”であり、海底熟成はより熟成度が加速・進化する旅ではありますが、地上の旅(地上で長期間静置する熟成)と同じ場所に連れていってくれるわけではありません。
 
海中では、ワインボトルに対して海のエネルギーが加わり、また酸素も多く存在するため、水中では地上と比較してワインの”呼吸”がより活発になります。それに加えて、海中で発生する温度変化は、ボトル内の容積を変化させるため、ワインが化学反応する速度に対し非常に良い影響を与えます。
 
  • 海底熟成ワインにはどんなコルクが使用されているか?

コルクでもOTR(コルクを介した酸素の移動量)が殆ど同じになるよう、個体差が少ないテクニカルコルクを使用しています。個体差がないコルクを使用することは、海底でワインを熟成させる際にとても重要です。

海底熟成ワインの熟成・発達は、酸素の量、そして、ボトル内で生じる海洋エネルギーによって発生した運動変化と連動しています。つまり、海底熟成では、特に、重合現象やタンニン-アントシアニンの結合現象による化学反応が、地上よりもはるかに速く進むのです。

Media Coverage

"Saracho(ワイナリー創設者)はスペインの著名なワインメーカー達をブラインドテイスティングに招待しました。海底で熟成させたワインと地上で熟成させたワインを飲み比べた結果、彼らは、海底熟成させたワインをより高く評価したんです。"

FOX NEWS
2020/01/25(日本語訳テッレ)

"正直言って、「海底ワイン」なんて初めは少し懐疑的でした。でも実際に飲んでみて、とても興奮しました!まるで、さらにもう1年瓶の中に入っていたかのように、ある種の熟成感とまろやかさが感じられるんです。"

DecanterよりMarilena Bonila(リベラ・デル・ドゥエロの名門ワイナリーProtosの醸造家)
2019/12/20(日本語訳テッレ

"懐疑的な人でも、世界で初めて成功した海底ワインセラーのその特異性(光・温度・揺らぎ)が、ワインに大変珍しい作用を与えていることに気が付くだろう。アワード受賞・限定生産のワインは、ミシュラン星付きレストランからも選ばれ、国外にも輸出されている。"

The Guardian
2017/09/30(日本語訳テッレ)

ギフトボックスの秘密

Seacret of Gift Box

ギフトボックスは、石垣島在住の魚譜画家・長嶋祐成さんのデザインです。ワイナリーの創設者が、海への情熱を絵画として表す長嶋さんに感銘を受け、この素敵なコラボレーションが生まれました。

"豊かな緑を戴きながら、白く険しく乾いた岩山。その崖面に囲まれて青々と湛うプレンツィアの海は実に絵画的です。船を繰り出し、スーツと機材を身につけて潜ってゆくと、かすかな濁りの向こうにワインケージが姿を現します。そして近づくにつれ浮かび上がる無数の魚の影。ゆったりと浮かんで群れ佇むさまは小惑星帯のようです。

カニやヒトデとともに色とりどりの海藻に包まれ、波にたゆたって海底に眠るボトルは、すっかりこの海の住人でした。ワインがともに過ごした遠い海の生き物たちにも思いを及ばせつつ、お楽しみいただければと思います。"

- 長嶋祐成

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株式会社テッレ
神奈川県藤沢市片瀬海岸1-12-3-201