ワインの健康メリット

ワインの健康メリット

ワインと健康

ワインが健康に良いのは本当でしょうか?

プーリアでは「ネーロ・ディ・トロイアを飲む者は100年生きられる」という古いことわざがあるそうです。昔からワインは健康に良いと考えられていますが、その背景についてご紹介します。

 

フレンチ・パラドックス

「フレンチ・パラドックス」という言葉をご存知ですか?ワインと健康、特に健康への影響を肯定する考えの一つとして引き合いに出されることが多い有名な言葉で、フランスの科学者セルジュ・ユノーが提唱していた逆説的(パラドックス)な理論です。

彼は、フランス人は日常的にバターや肉類など非常に多くの動物性脂肪を摂取しているにもかかわらず、ヨーロッパの他国と比較し心疾患を抱える人が少ないことと、赤ワインの消費量が多いこと、これらに因果関係がある可能性を指摘しました。

1991年、彼の指摘をテーマとして、アメリカの三大テレビネットワークの一つであるCBSが、同社の調査報道番組「60 Minutes」の中で、脂質摂取と冠状動脈性心疾患の関係性を調べたドキュメンタリーを「フレンチ・パラドックス」というタイトルで放送しました。この内容は大きな話題となり、番組放送後にはアメリカでの赤ワイン消費量が急増したそうです。

 

健康への良し悪しは飲み方

現在でも多くの研究機関によってワインの健康への影響が調査されています。研究機関によって見解も様々で、ワインが私たちの健康に悪影響を及ぼすとする意見、反対に健康を促進するとする意見との両方があります。

赤ワインの大量摂取は癌になる可能性を高めるとか、赤ワインのポリフェノールが癌を抑制する効果があるとか、または、ワインを摂取すると血圧が上昇するために心臓病を誘発するリスクが高まると言われたり、ワインは心臓の働きを助ける成分が含まれると言われたり。

科学的な見解を聞くまでもなく、私たちは経験的にも常識的にもアルコールの過剰摂取は人体に良くないことを知っています。そして、適切な量であれば、ワインが体に悪いものではないことは皆さんも感じられるのではないでしょうか。

 

健康に良い成分

ワインに含まれる成分の中で、科学的な研究結果に基づき健康に良いと考えられているものをご紹介します。

・アルコール

この効能(リラックス効果)を知っているからこそ、皆さんお酒を嗜むのですよね!研究によると、適度なアルコールは善玉コレステロールを増やし、動脈硬化を引き起こす悪玉コレステロールを下げる働きをし、心臓病のリスクを低減させる可能性があるとのこと。また、血液中の血小板の凝縮を防ぎ、血栓症から人体を守る効果も見られるようです。

・フラボノイド

フラボノイドはポリフェノールの一種で、自然界に存在する有機化合物の総称です。強い抗酸化作用を持っています。ワインのタンニンが健康に良いと聞いたことがあるかもしれませんが、そのタンニンや、ぶどうの皮に含まれるアントシアニンもフラボノイド系ポリフェノールです。タンニンやアントシアニンも適度なアルコール同様に、健全な血小板を維持し、冠状動脈性心疾患を抑制する作用があると言われています。このフラボノイドは、白ワインやロゼワインよりも赤ワインの方が多く含まれています。

・レスベラトロール

聞きなれない成分ですが、近年の研究で発見されたワインに含まれるポリフェノールの一種で、健康に良い成分として注目されています。この成分は抗酸化作用と抗変異原性を備えており、ステージ1~3の癌に対する抑制効果があるそうです。こちらも黒ブドウ品種に多く含まれているようです。

・カリウム

人間の体内で過剰になったナトリウムを尿とともに体外へ排出する働きを持つカリウムは、ワインの主要なミネラル成分の中でも多く含まれています。ナトリウムを摂り過ぎると血圧が上昇し、高血圧症を引き起こす原因にもなるためカリウムの働きは重要です。ファストフードやスナック菓子などナトリウムが多く含まれており、現代の食生活では過剰に摂取しがちな傾向にあります。 

 

ワインと健康

オススメの飲み方

結論としては、昔から言われている通り、適度に飲めば健康への好影響が見られる反面、過剰に飲み過ぎれば体を壊す恐れがあるということです。健康的にワインを楽しむ方法として推奨されるのが、赤ワインを毎日2杯飲む方法です。

ワイングラス1杯は125cc程度なので、一人の場合は2杯で250ml飲むことなります。ボトル1本が750mlなので、3日かけて1本空けるペースですね。二人なら1日500mlとなり、1.5日でボトル1本を空けるペースです。

多いですか?少ないですか?

日によっては白ワインやロゼワインに変えたり、週に1日は休肝日を設けたりして、細く長くワインを楽しむのがオススメです。

適度な量とペースを飲むことで、ワインを味わいつつ、健康も手に入れましょう!

 

参考文献『イギリス王立科学会の化学者が教えるワイン学入門』(ディヴィッド・バード著、エクスナレッジ)

 

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