ネーロ・ディ・トロイアの特徴

ネーロ・ディ・トロイア

ネーロ・ディ・トロイアの名前の由来と起源

最近注目を集めているネーロ・ディ・トロイア種(Nero di Troia)は、プーリア州でも特に北部地域で栽培される土着品種です。

イタリア農林省によると栽培面積は約2,600ヘクタール。「ネーロ(nero)」とは、「黒」という意味のイタリア語で、色の濃いこのブドウ品種の特徴を現しています。このブドウは、現地ではウーヴァ・ディ・トロイア(Uve di Troia)とも呼ばれますが、「ウーヴァ(uva)」とはブドウという意味で、直訳すれば「トロイのブドウ」となります。 

ネーロ・ディ・トロイアの起源としては、2つの説があります。

一つは、ギリシャが起源というもの。ネーロ・ディ・トロイア種のDNAがギリシャ原産のブドウ2品種と関係があることが確認されているためです。もう一つの説は、アルバニアが起源というもの。品種名のトロイア(Troia)は、古代のアルバニアの首都だったクルヤ(Krujë)が変形した言葉とする考え方に基づきます。また、アドリア海を隔てた隣国であるアルバニアとプーリアは、歴史的にも昔から強い関係がありました。そのため、人や物が交流する中でブドウの木も持ち込まれたのではないかとも考えられています。

 

プーリアのDOCG

ネーロ・ディ・トロイアは若いうちは強いタンニンが残るため、通常の畑では理想的な状態で収穫することがなかなか難しいとされてきました。そのため、ワインにした際に柔らかなタンニン・風味を出す目的で、モンテプルチャーノなど他のブドウ品種とブレンドされることが大半でした。

現在では、プーリアのワイン生産者及びブドウ栽培における技術自体も向上し、この品種の魅力を十分表現できるようになったことから、ネーロ・ディ・トロイア単一で赤ワインやロゼワインが造られています。

この品種の名産地は、八角形を象徴的に取り入れた珍しい城の世界遺産カステル・デル・モンテ(神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世が建城)があるエリアです。イタリアワインの最上級格DOCGが与えられており、良質なワインが造られています。フリードリヒ2世(フェデリーコ2世)がネーロ・ディ・トロイアのワインが大好きで、プーリア北部の領土にこのブドウ品種を植樹させたといわれています。

プーリア州 ネーロ・ディ・トロイア種の栽培エリア

ネーロ・ディ・トロイアの香りと風味

収穫の時期は、プーリアを代表する3品種(プリミティーヴォ、ネグロアマーロ、ネーロ・ディ・トロイア)の中では一番遅い10月中旬から下旬です。本来アントシアニンの少ないブドウなので、ワインに濃い色は付きませんが、近年ではマーケティングの観点からプリミティーヴォに似せて造ることが多く、濃いルビー色のワインが多くあります。香りはとてもエレガント、レッドチェリーや赤スグリ、黒胡椒やタバコの香りが感じられます。味わいはバランスの良い酸味と強いタンニンが味わえます。若いうちはタンニンが強めですが、時間とともにまろやかになり、長期熟成にも適するワインです。ポリフェノールも豊富に含まれます。

プーリアには、「ネーロ・ディ・トロイアを飲むと100年生きられる」との言い伝えがあるそうです。美味しくて長生きできるワインなんて、最高ですね!