ネグロアマーロ(Negroamaro)の特徴

ネグロアマーロ

ネグロアマーロの名前の由来

ネグロアマーロ(NegroamaroまたはNegro Amaro)は、プーリア州の地場品種です。主にプーリア州南部にあるサレント半島(ターラント、レッチェ、ブリンディジ県が含まれる)で特に多く栽培されています。イタリア農林省によると栽培面積は約12,000ヘクタール。

ブドウ名の由来は諸説あります。主な2つは、ラテン語で「黒」を意味する「niger」(黒)とギリシャ語で「黒」を意味する「mavros」とが融合したと考える説、そして、プーリア州の方言 "niuru maru"「黒い、苦い」に由来するという説です。いずれにしても、このブドウの特徴である濃厚な果皮の色に関連する単語と関係がありそうですね。

このブドウがプーリアで栽培されるようになった経緯も明らかになっていません。起源はダルマチア地方(クロアチア)でアドリア海を通じた貿易でプーリアに持ち込まれた説、ギリシャ経由で持ち込まれた説があります。プーリアの特に南端の地が栽培に適した環境であったことから、今ではイタリアの最も古いブドウ品種の一つとなっており、さらに、単なる土着品種である以上にサレントのシンボルとなっています。

サレント

 

ネグロアマーロの特徴

サレント地方は、プーリア州の中でも最南端にある半島で、アドリア海とイオニア海の2つの海に囲まれています。ネグロアマーロの畑が多い地域の年間降水量は凡そ600~700ml、11ー12月が雨が多い時期です。サレント半島は暑いイメージがありますが、7ー8月が最も暑く、降水量も少ない月です。ネグロアマーロは、サレントのように暑く乾燥し、海に囲まれた気候に適するブドウ品種です。また、この地域の土壌は石灰質と粘土質がメインで、この土壌も収穫時期の9月中旬~10月初旬という他のプーリア州のブドウ品種と比べて遅めの収穫時期までの間、ブドウを熱と干ばつから守る役目を果たしています。

ブドウの木:ネグロアマーロのブドウの木は、成長すると14-20センチの房を付けます。葉は比較的大きめで、先端はモミジのように5つに分かれます。

ブドウ:果皮は青みがかった紫色、厚く固い皮が特徴です。ワインの色調は若い時は濃いルビーのような赤ですが、熟成させるとガーネットのような、より濃く暗い赤に変化します。こののようなネグロアマーロのブドウから造られるワインは、色が中程度~濃く、タンニンも中程度~多くなります。

香りと味わい:ラズベリー、ブラックベリーやブルーベリーといったベリー類、ブラックチェリーやブラックプラムの香りと風味が感じ取れます。また、(上の写真のような)地中海の乾燥した大地やハーブなど低木植物、温かみのあるスパイス(クローブ、ナツメグ、シナモン)の香りも。高品質のワインでは、熟成が進むにつれて、プルーン、タバコや黒胡椒などの香りと風味を呈します。 プリミティーヴォの果実味と比較すれば、程よい酸味とフレッシュさに加え豊かなタンニンの奥行をより感じ取れるのがネグロアマーロです。

人気上昇中のブドウ品種

現在では多くの生産者がネグロアマーロ100%のワインを造っていますが、有名なSalice Salentino DOCのように他のブドウ品種とブレンドされる場合も多いブドウです。ブレンドされる品種は、マルヴァジーア・ネーラ、プリミティーヴォなど、ワイナリーによって異なります。ネグロアマーロは赤ワインだけでなくロゼワインとしても人気があり、イタリアで最初に瓶詰めされたロゼワインは、ネグロアマーロで造られたワインだったようです。

最近のトレンドとして、ロゼスパークリングワインも人気です。また、このブドウを使用して造る「白」のスパークリングワインもあり、バラエティーに富んだワインを生み出せる人気のブドウ品種となっています。

さらに、地球温暖化がブドウ栽培・ワイン造りにおける影響が懸念される中で、ネグロアマーロの暑くても酸を保持できる品種特性が着目されており、2005年にはオーストラリアのアデレード・ヒルズでネグロアマーロ種を使用したワインが誕生したようです。

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