プーリアとはどんなところ?

プーリアの場所はどこ?

プーリアはイタリア南部にある州の一つです。イタリアをブーツの形に例えるなら、かかとの部分に当たります。東はアドリア海、南はイオニア海に面する長い海岸線を有する一方、内陸では土地の高低差が比較的少なく、肥沃な大地が広がります。オリーブやトマト、特に小麦の栽培が盛んで、イタリアの穀倉地帯にあたります。

プーリアの地図

 

プーリアの都市は?

プーリア州の州都はバーリです。バーリの人口は約32万人。人口規模でいうとイタリア国内では、フィレンツェに次いで第9位の都市です。

州都バーリの旧市街地

州都バーリの旧市街

他にも、バロック様式の建築が多いことから「南イタリアのフィレンツェ」とも呼ばれるレッチェや、円錐形のとんがり屋根が特徴的な住居“トゥルッリ”があるアルベルベッロ、古代より地中海交易で栄えアッピア街道の終点でもあった港街のブリンディジなどがあります。

ブリンディジの風景
ブリンディジの風景

気候は?

地中海性気候のため年間を通して温暖です。日照時間が年間300日と長く、とても強い日差しに大地に降り注ぎますが、海に近い地域では海からの風が平坦な内陸部まで吹き込むという特徴があります。強い日差しと涼しい海風が力強くもフレッシュなワインを生み出します。

プーリアのブドウ畑
プーリアのブドウ畑

プーリアのワインの特徴は?

かつて、プーリアのワイン生産者たちの多くは自らボトルにワインを詰めて販売することはしておらず、ブレンド用のバルクワインとしてイタリア北部のワイナリーに売っていたそうです。しかし、現在では生産者の意識も変化し、地場品種の特徴を生かした高品質のワインを産出しています。

プーリア州のワイン生産量は2020年のデータで約9億7640万リットル。これは、ソアーヴェ、アマローネやプロセッコのワイン産地として有名な北部ヴェネト州に次ぐイタリア国内第2位で、国内生産量の約20%を占めます。赤ワインだけの生産量に限れば、プーリア州が圧倒的にイタリア国内第1位の生産量です。

ちなみに、イタリアはワイン生産量世界一の国です。そのイタリアで1、2位を争う生産量ともなると、チリ、南アフリカやドイツの国内総生産量とほぼ同規模に当たります。

イタリア州別ワイン生産量2020年

観光資源

プーリア州の有名な観光地と言えば、世界遺産の町アルベロベッロ。「トゥルッリ」と呼ばれる円錐形の屋根に白壁の家屋群が有名で、現在でも実施の住居や店舗として活用されており、年間を通じて多くの観光客が訪問しています。

トゥルッリ
トゥルッリ

 

また、13世紀に神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世(イタリア名フェデリーコ2世)によって建てられたカステル・デル・モンテも世界遺産に登録されています。城内の至るところに八角形を取り入れた設計がされており、小塔や中庭も八角形。今もなお、築城の目的が謎に包まれる不思議な城は、1ユーロセント硬貨にも描かれています

カステル・デル・モンテ

 カステル・デル・モンテ 

豊かな食文化

文化遺産も豊富ですが、多くの人を惹きつけて止まないのがプーリアの食文化です。豊かな海の幸、新鮮な野菜、豊富なハムやブッラータチーズに、どの料理にもふんだんに使われる高品質なオリーブオイル。

首都バーリの旧市街で見かける、地元の女性たちが手作りする耳のような形をしたパスタ「オレキエッテ」も有名です。

オレキエッテを作る風景
オレキエッテを作る風景

 

そして、何よりも美味しいワインが手ごろな価格で手に入ります。多くは地元の人々が日々の生活の中で消費する目的で生産されていますが、そのクオリティの高さには驚かされます。

ワインの魅力については、プーリアで生産される代表的な品種ごとに解説していますので、こちらもご覧ください。

プーリア産ワインの特徴と種類