赤ワイン

赤ワインと白ワインの違い(赤ワインの造り方①)

ワインの生産プロセス

赤ワインと白ワインの違いは?

前回のブログでご紹介したとおり、赤ワインは黒ブドウから、白ワインは白ブドウから造られるのが基本です。ですが…皆さんがよくご存じのシャンパンのように、黒ブドウを使用して造られる(一部または100%)“白ワイン”もあります!

赤ワインと白ワインの違いは?と聞かれた際に真っ先に思いつくのは、ワインの色の違いです。この色の違いは、使用するブドウが異なるだけではなく、ワインの造り方によって生まれます。

それでは、先ず、赤ワインの造り方から見ていきましょう。

 

🍇赤ワインの造り方🍇

一般的な赤ワインは、ブドウを収穫した後、以下のプロセスを経てワインボトルに詰められ、消費者の元に届けられます。

除梗(じょこう)⇒ 破砕(はさい)⇒ 浸漬(しんせき=マセレーション)⇒ 果帽(かぼう)の管理(パンチングダウン、ポンピングオーバー、ラックランドリターン)⇒ アルコール発酵 ⇒ 圧搾 ⇒ マロラクティック発酵 ⇒ 澱抜き(おりぬき)⇒熟成 ⇒ 清澄(せいちょう)⇒ 濾過(ろか)処理 ⇒  瓶詰め

赤ワインの生産


除梗(じょこう)と破砕(はさい)

ワインには完熟したブドウが使用されます。熟したブドウを収穫した後、青臭く苦味の元になる果梗(茎)を取り除き、果粒だけを選別します(除梗)。その後、果粒を機械で破砕することで、果皮が破れ果汁が流れ出ます。破砕する際にブドウの実の中にある種子まで潰すと苦味と渋みが増してしまうため、種子を潰さないようにします。


浸漬(しんせき=マセレーション)

破砕された果粒は、果汁、種、果皮に分かれますが、これらが一緒にタンクの中に入れられ、2~3週間ほど漬け込まれます。この作業を浸漬と呼びます。この時、ブドウの果皮からは色素(アントシアニン)が、種からはタンニンが抽出されます。黒ブドウの果皮から色素が抽出されることで、果汁に赤い色が付きます。


果帽(かぼう)の管理(パンチングダウン、ポンピングオーバー、ラックランドリターン)

浸漬は、果汁、種、果皮がタンク内に混在する状態で行われますが、ひとたびアルコール発酵が開始すると、炭酸ガスが発生することで、種と果皮がタンクの表面に押し上げられます。
表面にできた種と皮の層(果帽)を棒でタンク内に押し戻す作業はパンチングダウンと呼ばれ、果帽を押し戻しかき混ぜることで、アロマ、色素、タンニンを果汁に移しやすくすします。また、かき混ぜる過程でタンク・液体に空気が入り込むことで、発酵に必要な酵母の働きが良くなり、糖分やタンク内の液体温度も均等化していきます。

大きなタンクの場合、種と皮の層はかなりの暑さになり、パンチングダウンの手作業は重労働となります。そこで、作業効率化のためにも、タンクの果汁をポンプで汲み上げてタンク上部から注ぐ、ポンピングオーバーという作業を行うことで、パンチングダウンと同様の効果を得ています。

赤ワイン ポンピングオーバー

また、ラックアンドリターンは、タンク内の発酵中の果汁だけを別の容器に抜き取り、再度、元のタンクの果帽の上に果汁を送り戻す作業です。この方法は非常に高い抽出効果があるので、通常は発酵中に1回か2回だけ行います。


アルコール発酵

酵母の働きにより糖分がアルコールへと変わりますが、その変化の過程で、二酸化炭素と熱が発生します。アルコール発酵は、浸漬を開始した時から始まり、タンク内の糖分が無くなるまでおよそ10日間ほど続きます。


圧搾

アルコール発酵が終わった後、圧搾することによって種や皮と果汁を分離し、果汁(この時点でワインとなっています)だけを取り出します。


マロラクティック発酵

アルコール発酵後、3~4週間かけてマロラクティック発酵が行われます。

マロラクティック発酵とは、乳酸菌が、ワインに含まれるリンゴ酸を乳酸に変えることです。リンゴ酸はシャープな味わいを与えますが赤ワインではこの酸がきつく感じられることもあります。一方、乳酸はまろやかな酸なので、酸味を和らげ味わいに複雑さも与えます。また、液体内にリンゴ酸があると他の菌も繁殖する可能性があるため、乳酸に変えることで、不要な菌の繁殖を抑える効果もあります。

 次回のブログでは、ボトル詰めまでの工程(赤ワインの造り方②)をご紹介します。

 

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