バスク海底熟成ワイン 小冊子日本語訳

ボトルの開け方

海底熟成ワインのボトルは、海底約20mにあるセラーでの熟成に耐え得るよう、コルク栓の上からシーリングワックスが覆われています。

直接シーリングワックスの上からオープナーを刺しても抜栓できますが、難しい場合は、この動画のように。シーリングワックスの取り除いてから抜栓してください。

小冊子日本語訳

“There are so many wonders in a glass of wine as at the bottom of the sea”.

“1杯のワインの中には素敵な驚きが溢れています、まるで海底と同じように”。

海への情熱と飽くなき冒険心から、2009年10月*にLSEB- Plentzia (Underwater Drinks Ageing Laboratory: 海底飲料熟成研究所)が設立されました。設立の2年以上前から、海がワインに与える影響に関する研究は開始されており、数百回にも及ぶ分析と研究結果を踏まえ、Crusoe Treasure Underwater （クルーソー・トレジャー・アンダーウォーター）ワイナリーが誕生しました。Crusoe Treasureは、海底にあるボデガ（ワイナリー）で、ボトルや樽を使用した熟成を行うワイン製造者のパイオニア的存在です。

彼らの拠点はプレンツィア、世界的に注目されるイノベーションと美食の地であるスペイン・バスク地方の小さな街です。プレンツィアが面するビスケー湾（カンタブリア海）の海底でワインが熟成されます。海底ワイナリーの特別な構造は、カンタブリア海の大海原に生息する海洋生物の保護・再生を助ける役割も果たしています。

*冊子の英語訳では2009年10月にLSEB設立と記載されいますが、ワイナリー設立は2008年、その後2009年から海底熟成ワインが商品化されました。

LAND PHASE

大地のフェーズ

“Our wines are born out of the love that our wine growers give to the vineyard.”

“ワインは、生産者がブドウ畑に注ぐ愛情から生まれます。”

Crusoe Treasureワイナリーの第一歩は地上（大地）から始まります。ブドウ栽培の多様性に満ちたスペインにおいて、地域（ゾーン）、畑の年齢、そして何よりも私たちのワインを比類なきものに造り上げる土地本来の特性、これらの要素を分析することで、素晴らしいブドウと出会えるのです。

最高品質のブドウを選んだ後、Antonio Palacios（アントニオ・パラシオス）とHéctor Díez（エクトル・ディエス）が率いる醸造チームによって、海底セラー内でワインが海の動力学と月の影響を受けて熟成するよう準備されます。彼らはこのプロセスを「海底熟成（underwater treasuring）」と呼んでおり、この工程を経ることでワインに唯一無二の風味が生まれます。

MARINE PHASE

海のフェーズ

地上での作業後、ワインは、水深20m、500㎡に広がるコンクリートとスチールで作られた海底設備の中に設置されます。ワインが入ったボトルや樽は、水中センサーとカンタブリア海の海洋生物とともに時を過ごします。

ワインは、Crusoe Treasureワイナリーの醸造チームが引き上げのタイミングを決めるまでの期間、海水の中、暗闇の中、また潮の流れや急変する天候により移り行く海流と圧力の中で熟成されます。海は、その“魔法”を使って、最上の味わいを知る人々のための、希少な宝物を作り出すのです。

Crusoe Treasureワイナリーは、当初から、海底セラーが人工漁礁として海洋生物のための小規模保護エリアとなるよう設計を工夫していました。セラーの中は、海の生物たちの豊かな生態系が存在しており、海洋生物が成長し、そして繁殖するための住み家となっています。このように、Crusoe Treasureワイナリーは、小規模ながらもカンタブリア海の再生と保護に貢献しています。

““Hundreds of species live together with the treasures of the underwater winery that lie in the depths of the Cantabrian Sea.”

“カンタブリア海の深淵に佇む海底ワイナリーでは、多くの海の生物が宝物（ワイン）とともに時を過ごしています。”