バスク海底熟成ワイン
海底熟成とは?
クルーソー・トレジャーのワインセラーは、海底約20mの深さに設置されています。プレンツィア湾では干満差が4mもあり、6時間ごとに水圧が変化する特徴があります。
通常、地上のセラーではボトルは静置され、一定の温度で管理されますが、海底セラーでは状況が異なります。
ボトルは人工漁礁を兼ねた特別な装置にしっかり固定されていますが、ケージ内は常に海水が流れ、水温も微妙に変動しています。
潮の満ち引き、波、海流、圧力、重力といった海のエネルギーが、ワインの熟成を促進させる重要な要素となります。川や湖では同様の効果は得られません。
地上のセラーで同じ期間熟成させたワインと比べると、海底で熟成されたワインは、ブドウのフレッシュな果実味や色調を保ちながら、口当たりはまろやかに、タンニンはシルクのように滑らかに変化します。
パラシオス博士による海底熟成Q&A
海がワインにもたらす効果とは?
ワインは柔らかく円やかに、まるでベルベットのようになり、複雑さが増します。
これらのワインにとってプラスとなる「変化」は、海中での熟成によって得られるものです。
ワインに含まれる酸味とタンニンの融合が図られ、果実味や果実感、そして凝縮感が高まるワインになります。
何が海底のワインに影響を与えますか?
波、潮による流れ(季節によっても異なる)、温度変化、圧力変化、運動そのもの、水・波の動き、これらの海で発生するエネルギーが海中のワインボトルに激しく影響します。海底熟成は、地上熟成で求められる静寂と安定した環境とは全く逆です。
海底に沈めるには、タンニンや酸味がしっかりして力強く、海中で発生する激しい作用に耐えることができるワインが必須です。そうでなければ、海がワイン自体を破壊してしまいます。なお、海底熟成と地上熟成で共通すると言えるのは、「暗さ」です。
海中のワインの中には酸素が入るのですか?
海底熟成されるワインは圧力の関係で、地上熟成ワインよりも多くの酸素を含みます。地上の大気圧よりも、より多くの酸素がボトル内に入ります。これは、海底でワインボトルが受ける圧力によるものです。なお、酸素が入り込むというのはナノ単位の話です。
なお、海水も塩分もボトル内に入りません。このことを科学的に証明するために、海底熟成されたワインに対し複数の分析を行っており、その結果を保健当局にも提出しています。
地上で10年間熟成させた状態を海底では2年程度で得られますか?
海底では地上より早く熟成するという関係性はあるものの、地上熟成と海底熟成が同じ状態や分析結果となるわけではありません。
単なる年月・時間計算の問題では説明が難しい点です。それは(ワインの熟成において)別の「旅」であり、海底熟成はより熟成度が加速・進化する旅ではありますが、地上の旅(地上で長期間静置する熟成)と同じ場所に連れていってくれるわけではありません。
海中では、ワインボトルに対して海のエネルギーが加わり、また酸素も多く存在するため、水中では地上と比較してワインの「呼吸」がより活発になります。それに加えて、海中で発生する温度変化は、ボトル内の容積を変化させるため、ワインが化学反応する速度に対し非常に良い影響を与えます。
15分毎に変化する味わい
抜栓し空気に触れさせると、
徐々に香りが開いてきます。
グラスの中で15分毎に変化する
味わいをお楽しみください。