900年の伝統が未来を切り拓く

900年の伝統が未来を切り拓く

プーリアの名門家族ワイナリー「ドゥーカ・カルロ・グアリーニ」

イタリア南部・プーリア州のサレント地方。アドリア海にほど近い小さな町スコッラーノに、驚くべき歴史を持つ家族経営のワイナリーがあります。

その名は「ドゥーカ・カルロ・グアリーニ(Duca Carlo Guarini)」。創業はなんと1114年、900年以上にわたりワイン造りを続けてきた、イタリア最古のワイナリーです。


ノルマン人の騎士から始まった、グアリーニ家の物語

その歴史は11世紀、ノルマン人騎士ルッジェーロ・グアリーニがサレントに渡ったことから始まります。のちにヴァレシオ伯となったアッカルド・グアリーニが、ピウツリ地区にブドウ畑を開墾したのが1114年。その後も一族によってワイン造りは代々受け継がれ、王侯貴族や聖人をもてなす逸話も残されています。

現在のオーナー、ジョヴァンニ・グアリーニ氏が語るもっとも大きな誇りは、「プーリアの農業遺産を守り続けてきたこと」。彼らが手がけるのはワインだけでなく、オリーブオイル、トマト加工品、穀物なども含めた持続可能な農業の実践です。いずれもオーガニック栽培にこだわり、サレントの土地と共に生きる姿勢がうかがえます。


海のそばの畑で育つ土着品種たち

ワイナリーの畑は、アドリア海からわずか200メートルの場所に広がっています。潮風が畑を吹き抜け、土壌は砂質や石灰質、粘土など多様。場所ごとに異なる土壌特性を見極めて、品種に最も合う区画を選び抜いています。

栽培されているのは、ネグロアマーロ、プリミティーヴォ、マルヴァジーア・ネーラといったプーリアの代表的な土着品種。すべてオーガニック認証を取得し、畝の間には豆科植物ファヴィーノを植えて、自然の力を活かした畑作りが行われています。


ネグロアマーロから白ワイン? 革新への挑戦

ドゥーカ・カルロ・グアリーニの魅力は、歴史に甘んじることなく常に挑戦を続けている姿勢にあります。

2012年、彼らは「ネグロアマーロから白ワインを造る」という前代未聞のプロジェクトをスタート。誰もが不可能だと思っていた試みに、4年の研究の末に成功し、サレントで初となるネグロアマーロの白ワインを誕生させました。

その透明感ある味わいは、多くの専門家やワインラバーの注目を集め、土地の魅力を新たな形で表現する快挙として高く評価されています。

 

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このワイナリー訪問記は、当社代表が執筆した書籍
『南イタリア・プーリアを旅する とっておきのワインと料理の楽しみ方ガイド: ワインインポーターが出会った、誰も知らない本当のプーリア』
にも掲載されています。ワインだけでなく、土地の歴史・風土・人々の想いまでを描いた一冊です。

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サステナブルな農業と革新、そして900年続く家族の物語。
「ドゥーカ・カルロ・グアリーニ」は、プーリアワインの本質と可能性を今に伝える、唯一無二の存在です。

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