プーリアのトロピカルなソーヴィニョン・ブラン！

プーリアでは珍しいソーヴィニョン・ブラン種を100%使用した白ワイン。はっきりとした完熟したレモンやトロピカルフルーツの強い香りが感じ取れるものの、味わいは辛口。ステンレスタンクのみで発酵・熟成させていますが、しっかりしたブドウの風味と飲み口を感じる白ワインです。

「Mura（ムーラ）」というワイン名は、19世紀にナポリ王国の国王、ジョアッキーノ・ミュラー（ジョアッキーノ１世、Gioacchino I）の名前をイタリア風に表記したものです。ジョアッキーノ１世が、ワイナリー（グアリーニ家）が所有するプーリア州南部レッチェ（Lecce）にある宮殿を訪問した際、彼が指にはめていた指輪の石でリビングルームにあった鏡に自分の名前をイタリア風に「Murà」と彫ったものが今でも残っており（！）、その彼のサインとMuràという名前をラベルに使用しています。

ジョアッキーノ１世は、ジョアシャン・ミュラ（フランス語でJoachim Murat）という名のフランスの軍人で、ナポレオン・ボナパルトの側近として、また有能な騎兵指揮官として知られた人物です。彼は、ナポレオンの妹マリアと結婚し義弟となり、ナポリ王位を与えられたためジョアッキーノ１世を名乗った人物。ソーヴィニョン・ブランはフランス原産のブドウ品種であるため、ワイナリーがこの白ワインを造った際に「何らかフランスと繋がりがある名前にしたい」と考え、「Murà（ムーラ）」と付けたそうです。

見た目にも濃いレモン色をしていますが、樽は未使用のためくどさやしつこさは無く、適度なボディとストラクチャーのある豊かな香りと味わいが楽しめる上品なソーヴィニョン・ブラン。使用するブドウは全てオーガニック栽培です。

ナポレオンの義弟が、所有する宮殿に来訪していただなんて、歴史の教科書を読んでいるようですが、そんな歴史に思いを馳せながら飲むのにちょうど良い上品さに仕上げられています。

*写真のワインのビンテージが販売商品と異なる場合があります。